丹沢、富士山、そして北アルプス・・・山の厳しさを存分に味わったからこそ、美しさが倍返し!
これまでバディの夏といえば、水上のサマーキャンプが定番で、山といえば奥利根と谷川岳が中心だった。それは奥利根
にバディの活動拠点を作ってきたからだが、今年の春その拠点がなくなってしまった。
そのショックから立ち直れない反面、新たなフィールドを開拓しようという前向きな気持ちも芽生え始めている。
今回の北アルプスは、水上は卒業とそんな気持ちにさせてくれた。
今年のバディの夏は7月の丹沢シャワークライミング、9月の富士山頂を目指す富士登山、を実施したが、どちらも最高に素晴らしかったと言い難いものだった。
丹沢では大量にヒルに襲われ、また夜は土砂崩れで林道が通行止めになる程の豪雨に耐えた。富士山では、夜中の12時前から3時間40分間、吹き飛ばされるような風雨の中、ずぶ濡れのまま、寒さと眠さとの戦いだった。
山って何の為に登るの!? 山登りって楽しいの!?・・・そんな思いを引きずっての今回の北アルプスだった。
最初の難関は、最初の白馬乗鞍岳(2473m)超えだった。今回は、白馬大池(2439m)で
泊をするため、個人装備以外に団体装備それから2日分の行動食と2lの水を自分で背負っていかなければならなかった。
子ども達には相当きつかったと思う。
でも、白馬大池の周辺の景色や池の周りに張られたカラフルなテントがとてもキレイで、そこに今晩一泊すると思うと
ワクワクした。
翌日は天気も良さそうなので、隊長のマサさんから、3時出発し月明かりの中歩いて途中でご来光を眺めようという提案があった。バディの子ども達は過去に上州武尊で“ニ・サ・シ”(2時起床、3時朝食、4時出発)を経験しているし、前回の富士山も最悪なコンディションの中夜に行動しているので、3時出発と聞いても誰も驚かなかった。
それに比べれば今回のコンディションは完璧で、月明かりだけで山の稜線を黙々と歩くことができた。
僕は今から20年前、初めてニュージーランドで、満月の下のアイスクライミングをやった。それをバディの子どもたちは今経験している。
なんて贅沢な時間なのか。
これも贅沢な時間。
登山って天候一つでこうも変わるんだ!
でも、今回素晴らしいと思えるのは、きっと丹沢があって富士山があって、山の厳しい一面を存分に味わったからだと、実感した。
マイちゃんとアメリちゃんは小蓮華山をゴールとして白馬大池に折り返した。
ミナキとヒナタ、コハル、ユウ、シュンチャンは最終ゴールの白馬岳を目指した。5人とも本音はここをゴールに折り返したかったに違いない。でも、そこはあえて背中を押した。
目の先にはいつもピークが見える。でもそこにたどり着くとさらに道が続き、その先にまたピークらしきものがある。その度に子どもたちは裏切られ、だんだん、もう無理という気持ちが増していく。
ここまで来たら、何としてもピークまで行って欲しいと思うが、無理強いはしたくなかった。そんな登山は、あまりにももったいない。
それよりも、一瞬でもいいから、自分が北アルプスの山の中にいることを楽しんで欲しかった。
最終的には、時間との戦いなので、予定時間内に到達できなければ断念するしかない。喝を入れたい気持ちを抑えて「ここまでよく頑張ったよ。あとは時間まで、行けるところまで行こう」と声をかけた。
結局5人全員白馬岳山頂(2932m)に到着した。やっとついた嬉しさと安堵感が入り交じった笑顔がこぼれた。
あとは帰るだけ。といっても、白馬大池までの道のりと、その後の、またあの大荷物を背負って3時間降りなければならないことを考えると、そんなにルンルン気分にはなれなかった。
帰りの道のりもまた登山の一部だ。
今回、この満足感と感動は、決して天候や景色だけによってもたらされたものではない。それは一緒に登ったFOSの皆さんの存在だ。
素晴らしい時間を、共に共有できる人がいることがどんなに幸せなことか改めて実感した。
最後の振り返りも印象的だった。みんなの笑顔からみんなの感動が伝わってきて、そんなみんなの姿を見て自然と涙が自然と湧いてくるような、そんな感じがした。
本当はFOSファミリーの山行にバディが便乗させてもらった立場なのに、いつのまにか、バディのこども達が先頭を陣取り、マサさんを占有してしまったことを申し訳なく思っています。
今度は海で倍返しだ!
ゆうみさんのブログにも載ってます。
http://blog3.masa-fos.com/
白馬登山と同時日に千葉県御宿で開催されたライフセービング国際大会、インターナショナルサーフチャレンジ。
バディからテツ(永石哲朗)&トモ(森野友也)がユース日本代表として選ばれ出場した。
個人成績も3位入賞。
おめでとう。
バディの会報誌を作成してくれている山下夫妻がライフセービングマガジンで彼らの様子、写真を掲載してくれている。
http://lifesavingweb.com/competitions/2013_isrc03.html