5月24日に鎌倉由比ヶ浜海岸で神奈川県ジュニアライフセービング大会が行われ、バディから25人が参加しました。
結果は、2つの金メダルと、2つの銀メダルと2つの銅メダルでした。(詳細はhttp://lifesaving.ne.jp/junior/3rdreport.html)
今回は2つの成果が考えられます。
まず一つは2月に行ったオーストラリアメルボルンの遠征です。水温が冷たく風も波も強い中で、ランスイムランやボードにチャレンジした経験があったので、今回のコンディションは、オーストラリアに行ったメンバーにとっては、楽勝に感じたようです。
もう一つは、朝練。去年の11月から、有志で朝練をしていました。まだ暗いうちから、最初は新林公園や江ノ島と、できるだけコンクリートを避け、アップダウンのあるコースを走ってきました。今では週3回、子供達だけで走っています。
今回大会に向けての練習はあまりできませんでしたが、基礎体力がみんなついてきた結果だといえるでしょう。
大会当日はとてもバディらしい光景を見かけました。
それは、レースがない時、バディの子達だけが、海に入り、波乗りをして遊んだり、サッカーでワイワイと楽しんでいたことです。低学年の子供達はいつの間にやらダンボールを身につけて、ロボコップに変身していました。
大会だからといって、緊張しすぎず、レースはそれなりに集中し、暇さえあれば楽しいことを見つけて遊んでいる、そんな姿がとても微笑ましく、嬉しく思いました。
遊びとは、誰からも強制されることなく、自発的に楽しむためにするもので、スポーツもその延長線にあります。
スポーツ競技である以上、メダルは嬉しいですが、今は、メダルよりも、大切なことがたくさんあることを忘れて欲しくないと思います。
勝つことやメダルは外側のご褒美であり外発的な動機づけにあたります。こうした外発的な動機づけは、もしもご褒美がなくなると、もともとあったやる気そのものがなくなってしまうことがあります。これをアンダーマイニング現象と言います。
それよりも大事なことは、海が大好き、泳ぐのが楽しい、ボードが楽しいといった自分の内側から湧き出てくる感情です。これを内発的な動機づけと言います。
子供達は、まだ成長過程にあり、心も体も成長しきっていない未完成の状態です。しかもその成長の度合いも個人差が大きいので体格差はとてもアンフェアです。だからあまり、躍起になって勝敗にこだわるのは、あまり意味がないと思っています。そもそも大人のスポーツの型に子供のスポーツを当てはめるのはとても危険なことでもあることにも気付かなければなりません。
今大事なことは、内発的な動機づけ、つまり内側のご褒美の価値を大事にすることだと私は思います。
海が大好き、体を動かすのが気持ちい、海で泳いだりサーフィンするのが楽しいという自分の内側から湧き出てくる喜びを十分に引き出すことです。
それから、5年生以上は、体力が伸びる時期です。この時期に、激しい運動を定期的に行う事は、とても彼らの成長に適合しているし、今は、与えてあげればドンドン消化できる時期に来ていることを実感します。
だからといって、いきなりは無理です。3ヶ月以上かけてしっかりと基礎体力の下地を作ることが大切です。これは毎日、コツコツです。
それから、低学年では、勝ち負けよりも、動きの基本をしっかり身につけること、いろんな運動で感覚に刺激を与えて神経系を発達させることが、何よりも重要です。
ですから、晴れの舞台で開花するのは、今じゃなくていいんです。本当に輝くのは高校生以上になってから。
そういう目線で、子供を見守って頂けたら嬉しいです。そして栄養面、精神面で子供達をしっかり支えてあげてほしいと思います。
今日から、朝練は海になりました。
毎週水曜日は、朝6時からビーチでランニングして、海でクールダウンし、6時50分には終了します。
月曜日と金曜日は、子供達だけでランニングです。
ライフセービング(トレーニング)で身につけてほしいことは、動きの基本、基礎体力、泳力とサーフィンの技術です。これは海で溺れない体力と技術を身につけることと、海で遊ぶ体力と技術を身につけるためで。
勝敗は結果であり、勝つことよりも大事なことはトレーニングのプロセスであることを共有して、子供達の成長を見守っていきましょう。